1971年4月3日、ブラウン管に颯爽と姿をあらわした「仮面ライダー」。悪の秘密結社ショッカーが送り込む怪人に立ち向かう仮面ライダー1号=本郷猛と2号=一文字隼人の姿は少年たちの憧れとなり、そして唯一無二のヒーローとなっていった。
それから35年近く、現在もなおその系譜を絶やすことなくシリーズとして展開し、さらに多くの人々を魅了しているのは周知の通り。まさに「仮面ライダー」は国民的な支持を得る数少ないヒーローだ。
そして今回「THE FIRST」のタイトルそのままに、第一作の主人公・本郷猛と一文字隼人、すなわち仮面ライダー1号と2号が復活を果たす。しかし、彼らはただ復活するのではない。35年目にして初めて、彼らの真の物語が描かれるのだ。
それは、原作者・石ノ森章太郎による漫画版をベースに換骨奪胎したもの、である。そもそもTV番組としては変身ヒーローものとして有名な「仮面ライダー」だが、漫画版では改造人間にされた本郷たちの青春の息吹や仮面の下に隠された悲哀が描かれていた。無論これまでのシリーズでも根底には、こうした深みのあるテーマが流れていることに間違いない。しかしそこに焦点を絞った映像化は存在しなかった……。そこで本作は、石ノ森章太郎が描こうとしていた“仮面ライダー”と呼ばれる改造人間たちのドラマに真正面から取り組み、2005年の現代に相応しいヒーロー映画として創り上げられた。つまり本作は続編でもリメイクでもない、

その精神を受け継ぎ、新たに生み出していくスタッフ・キャストには、注目すべき面々が揃った。
本郷猛を演じるのは映画「バトル・ロワイアルII 鎮魂歌」や「GACHAPON!」、TV「不機嫌なジーン」で好演を見せた黄川田将也。一文字隼人と矢野克彦の二役を演じるのは「仮面ライダー龍騎」でライア=手塚海之を演じ、その後も「カクト」「新・影の軍団シリーズ」などで活躍する高野八誠。そしてふたりの間で揺れ動く緑川あすかを演じるのは「水の中の八月」でデビュー後、「3年B組金八先生」や「ソドムの市」などで可憐な美しさを見せる小嶺麗奈。
その他、多彩な顔ぶれが揃う中、仮面ライダーV3を演じた宮内洋が立花藤兵衛役を、そして故・天本英世がショッカーの幹部として登場するのは旧作ファンへのプレゼントでもあるだろう。
監督は、第一作「仮面ライダー」から「平成ライダーシリーズ」まで長きにわたってシリーズに携わる長石多可男。独自の視点を映像として切り取る手腕で、本作に美しさをも与えている。
脚本は「平成ライダーシリーズ」のTV、映画の大部分を手がける井上敏樹。原作者・石ノ森章太郎の意思を尊重しつつ、現代的な語り口で2005年に相応しいヒーローを描き出している。
そしてライダーとは切っても切れないアクション面を支えるのが、横山誠アクション監督だ。95年にアメリカに移住、約9年間アメリカ版スーパー戦隊の「POWER RANGERS」のアクション監督を担当。帰国後初の映画作品となる本作で横山は、従来のアクションを知り尽くした上で、独自の方法論を構築しアクションを設計。怪人たちの特異な動きを、そしてライダーには欠かせない肉体による必殺技を、よりパワフルで、また華麗に魅せている。
もちろん“仮面ライダー”の名に恥じぬ、

個性的なキャスト陣と第一線で活躍するスタッフの手により、本作は懐かしい匂いを持ちながら、誰も見たことがない新たなヒーロー=“仮面ライダー”を送り出す、歴史の第一歩となるのだ。
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