
第144回芥川賞を受賞した西村賢太の「苦役列車」。19歳の肉体労働者・北町貫多のどうにもひねくれた青春を綴ったこの小説。その熱狂的な読者を獲得している本作が映画になった。主演は『モテキ』の超絶的な快演で現代を生きる男子のリアリティをダイナミックに体現した森山未來。貫多と友情らしき何かが芽生える同僚、日下部役に透明感ある演技で進境著しい高良健吾。そしてAKB48を卒業した前田敦子が映画オリジナルのヒロイン・康子に扮する。メガホンをとるのは『天然コケッコー』『マイ・バック・ページ』の気鋭・山下敦弘監督。森山も高良も前田も、山下作品に出演するのが夢だったという。映画ファンの胸を高鳴らせるこの豪華コラボが新しい青春映画を誕生させた!

1980年代後半。19歳の北町貫多は、明日のない暮らしを送っていた。日雇い労働生活、なけなしの金はすぐに酒に消えてしまい、家賃の滞納はかさむばかり。そんな貫多が職場で、新入りの専門学生、日下部正二と知り合う。中学卒業後、他人を避け、ひとりぼっちで過ごしてきた貫多にとって日下部は、初めての「友達」と呼べるかもしれない存在に。やがて、古本屋で店番をしている桜井康子に一目惚れした貫多は、日下部の仲介によって、彼女とも「友達」になる。でも「友達」ってなんだろう……不器用に、無様に、屈折しながら、けれども何かを渇望しながら生きてきた貫多は、戸惑いながらも19歳らしい日々を送るが…。