「精霊流し」、「解夏」、「眉山」、「アントキノイノチ」…、良質な映画化が相次ぐさだまさしの原作から新たな感動作が誕生した。珠玉の名編「サクラサク」(『解夏』幻冬舎文庫収録)が、満を持しての映画化へ。さだ自身の父親との思い出をモチーフにしたという思い入れの強いこの小説が、最高のキャスト&スタッフの手によって、スクリーンに満開のサクラを咲かせる――。
監督は『利休にたずねよ』が、モントリオール世界映画祭・最優秀芸術貢献賞を受賞したことも記憶に新しい田中光敏。かつて、さだの『精霊流し』(03)を映画化したその確かな手腕に、さだも絶大の信頼を置く。キャストには日本映画界を背負う実力派が揃った。主人公・俊介には緒形直人、その妻・昭子に南果歩、そして俊介の父・俊太郎に藤竜也。2人の子供達=大介・咲子にはそれぞれ矢野聖人、美山加恋が扮し、ベテラン勢を相手にフレッシュな好演を見せる。主題歌は、さだが自身の映画化作品としては初の書下ろしとなる「残春(ざんしゅん)」を提供。希望にあふれたエモーショナルな楽曲が、暖かい春の残り陽のように優しく作品を包み込む。
進むべき道を見失い、迷いながらも旅を続けた5人がたどり着いたその場所とは? 映画の結末を見届けた時、悲しみではなく、感動の温かな涙が流れる――。