INTRODUCTION・STORY

この手で姉をッ…！討たねば討たれる　殺さねば殺される　金襴の打掛の裏にひそむ　大奥三姉妹愛憎の物語江戸城大奥の門をくぐった時　女はすべて魔性の化身となる！ 華麗なる残酷の世界を佐久間・淡島始め豪華スターで描く女性大作映画 絢爛にして豪華、目も綾な栄華に彩られ、世の羨望を一身に集める大奥も、その中では権力を競って絶え間ない抗争が繰り広げられる女ばかりの生地獄。東映お家芸大奥シリーズ第3弾は、美しい三姉妹が大奥に召され、姉は権力者大年寄に、次女は将軍の寵愛を一身に集める中臈に、三女も姉の失脚を狙い、女一代の栄華を極めんと権力をめぐる醜い争いと哀しい宿命を女優オールスターで描く豪華絢爛超大作。 寛政二年陽春。十一代将軍家斉は、三十路を迎えてお褥辞退をした御台所萩乃に代わり若年寄浅岡の部屋子お阿紀を望んだ。お阿紀は浅岡の義理の妹で、この幸運に浅岡は野心を膨らませる。恐れおののくお阿紀に家斉は優しかった。町家育ちのお阿紀に、野の花のいじらしさを感じたのである。それからというもの、家斉は他の愛妾を一切遠ざけてしまった。この事態を重く見た御台所、大奥一の権力者大年寄松島、若年寄藤尾らは激しく憤った。松島が浅岡とお阿紀を呼んで強く叱責し扇子で浅岡の顔を打った。これを見ていた家斉は、即座に松島を免職し浅岡に大年寄の職を与えた。江戸の夏祭りの夜、家斉とお阿紀は忍び姿で城を抜け出し、宵宮を楽しんだ。お阿紀は家斉の身分を越えた愛を受ける幸せを噛み締めていた。しかし、このお忍び行が露見すれば浅岡は大奥追放、お阿紀は謹慎というご沙汰の中で、復讐に燃える松島の知る事となった。松島は宵宮で家斉に引き合わせたお阿紀の妹お町を生証人として立たせた。対する浅岡は松島方の中頭飛鳥井と中村座の女形紅雀の醜聞を作り上げて対抗、飛鳥井を自害に追い込み、紅雀は浅岡の手で殺された。失地挽回を目論む松島はお忍びの事実を白状しないお町に拷問を加えるが、姉を思うお町はじっと押し黙る。浅岡もお町の口から事実が露顕するのを防がなければならない。妹は側室、姉は大年寄、女一代の栄光を守るため、浅岡がお町を亡き者にしようと懐剣を抜いて迫った時、急いで駆けつけたお阿紀と揉み合いになり、懐剣が浅岡の背を刺し貫いてしまった。この一件で松島は上臈に、藤尾局は大年寄に出世し、大奥はふたたび御台所派に塗りつぶされた。お町は浅岡殺しの罪を着て捕えられたが、お阿紀の罪は家斉が許す事となった。お阿紀の父・和泉屋は娘の罪業により身代を取潰されて甲府に所払いとされた。 出演は大奥三姉妹に、佐久間良子、淡島千景、大原麗子。大奥の権力者大年寄に三益愛子、若年寄に木暮実千代が扮するほか、宮園純子、桜町弘子、荒木道子、野添ひとみ等の人気実力女優陣を配し、十一代将軍家斉に田村高広が扮する格調高い豪華キャスティング。脚本は成沢昌茂、監督は任侠映画の名手・山下耕作というベストメンバー。田村高広が佐久間良子の亡骸を抱いて祭の宵宮を歩くラストの幻想シーンは印象的である。（昭和43年11月公開　東映京都作品）

CAST

佐久間良子、漆島千景、大原麗子、宮園純子、桜町弘子、野添ひとみ、荒木道子、木暮実千代、三益愛子、田村高広

STAFF

■原作：

■原案：

■監督：山下耕作

■演出：

■脚本：成沢昌茂

■スタッフ：企画：岡田茂、翁長孝雄／脚本：成沢昌茂／撮影：鈴木重平／美術：矢田精治／音楽：斉藤一郎／監督：山下耕作