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新潟の新発田藩城代家老・溝口内匠は進退窮まっていた。日本を二分した戊辰戦争が激化するなか、新発田藩は密かに新政府軍への寝返りを画策するが、城には旧幕府派の奥羽越列藩同盟軍が出兵を求め押しかけていた。そんな折、遂に新政府軍の到着が迫る。城から退かない同盟軍と迫りくる新政府軍が鉢合わせてしまっては、新発田は戦火を免れない。まさに絶体絶命!一刻の猶予もない溝口内匠は一計を案じ、官事の進撃を食い止める起死回生の一手として“砦の護衛作戦”を命じる。集められたのは、殺人、賭博、火付け、密航、姦通など、人道を外れて収監された、死罪になるべき10人の罪人たち。その圧倒的に不利な命懸けの過酷ミッションとは、【新政府軍が砦へ侵攻するのを防ぐこと】ただそれだけだった。死を覚悟していた彼らに見えた、“生きる”という一筋の希望。勝てば“無罪放免”という契りを信じ、罪人たちは己のために突き進む。果たして、彼らは未来を掴み取ることができるのか!?新発田藩、同盟軍、新政府軍、三者の思惑が交錯するなか、「己の誇り」「故郷に残した愛する人を護るため」――。それぞれの執念が轟く、十一人の壮絶な戦いが始まる。