



女子高生のリアルなたたずまい。彼女たちが生きる心地よい怒り、やさしさとさみしさ、恋心、そして移ろいやすい時間。それらを、透き通るようなモノクロームの長まわし映像と、不満げなつぶやきやテンポよく交わされる会話、そして入念にリハーサルを重ねた丹念な演出によって浮かび上がらせたこの青春映画は、若さとともに確かにあったかけがえのない時間を思い起こさせ、見る者の胸を疼かせる。
相米慎二の『台風クラブ』、岩井俊二の『花とアリス』等に連なる珠玉の作品で、世界14カ国、20に及ぶ映画祭で絶賛され、第24回東京国際映画祭の日本映画・ある視点部門で作品賞を受賞している。監督は、ミュージック・ビデオ、テレビ番組、CM等の映像演出に長年携わっていた小林啓一。「未来からみれば今はすぐに過去になる。だからこそ今をしっかり認識すべき」という思いを若い演者に託し、自ら手持ちカメラで彼女たちを追った。その後も2012サンダンス、ロッテルダム、香港、チョンジュなど各国の国際映画祭で注目を浴び続けている。
白とグレーを基調とした眩しい映像の中、若くして冷めたヒロイン、川島いづみ役でドラマを引っぱってゆくのは、本作が映画初出演の池田愛。恋愛体質の蓮実には小篠恵奈、可憐な外見によらずしっかり者の薫役は藤原令子。また、人気落語家・桃月庵白酒が印刷屋役で登場している。日本映画史に刻まれる新たな青春映画の傑作。
[ 2013年1月 劇場公開作品 ]

第24回東京国際映画祭 日本映画・ある視点部門 作品賞受賞
第50回ヒホン国際映画祭 アストゥリアス作品賞受賞
サンダンス映画祭2012 ワールド ドラマティック部門 正式出品
第7回大阪アジアン映画祭 特別招待作品
第41回ロッテルダム国際映画祭 ブライト・フューチャー部門 正式出品
第36回香港国際映画祭 ヤングシネマコンペティション 正式出品
第13回全州国際映画祭 インターナショナルコンペティション部門 正式出品
2012 フェスト国際映画祭
第12回Nippon Connection ニッポンビジョン 正式出品
第13回ジャパンフイルムフェスト ハンブルグ 正式出品
ロサンゼルスアジア太平洋映画祭 長編部門 正式出品
台北映画祭 ニュータレントパノラマ部門 正式出品
シンガポール日本映画祭 正式出品
ジャパンカッツ映画祭 正式出品
レインダンス映画祭 長編部門 正式出品
第1回ドゥーホック国際映画祭 長編部門 正式出品
第36回サンパウロ国際映画祭
第1回コカトゥアイランド映画祭 正式出品



監督・脚本:小林啓一
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