50年の時を超えるミラクルお宝BOX！

ちょうど50年前の昭和50年、1975年の大事件。 世界に誇る超特急に仕掛けられたという爆弾は一定速度を過ぎるとスイッチが入り、スピードが落ちると爆発する。すなわち、もう停まれない！ 何らかのヒントはあったようだが、まさに画期的な、これまた世界に誇れるアイデアだった。 しかし、やがて終点では停まらざるを得ない。その限られた時間内での犯人側と当時の国鉄、さらには警察、そして国家も巻き込んでの丁々発止の攻防も大いなる見どころ。 東映ならではのインパクト優先のタイトルはともかく、実際に爆破されることは無いだろうが、はたして…というスリルは、手作りの魂がこもったアナログ特撮で絶妙に描かれた新幹線の疾走感と相まって、また豪華役者陣の文字通りの熱演も絡み、何度観ても手に汗握る。 それから50年後の本年には続篇に相当するような作品も公開されたが、そうした後の展開を導くタネも含めて、おそらく他にも隠蔽(笑)されているはずのファクターも詰め込まれた傑作オリジナル作品を、最新最高スペックで確認しよう！ 当時、アメリカやフランスではシェイプアップ編集で公開されて日本以上に話題を呼んだ海外版2種類も丸ごと特典収録。さらには超貴重な当時のメモラビリアも多数復刻。完成した映画とは異なるシーンも書き込まれていたシナリオも実に興味深い。ちょっと視座を変えれば浮上するビハインド・ストーリーもあり得るかもしれない、なーんて。 そう、今もなお『新幹線大爆破』は停まらない！

小野善太郎（元・大井武蔵野館支配人）