INTRODUCTION
『百円の恋』『アンダードッグ』(脚本)、『喜劇 愛妻物語』(脚本・監督)や、2023年度後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」(脚本)など映画監督として、脚本家として、小説家として、常に、欠点だらけで、それでいて愛すべき者たちの織り成す人間賛歌を描き、観客の熱い支持を受けて数々の賞を総なめにしてきた映画作家・足立紳。自身が執筆した小説『弱虫日記』(講談社文庫)を原作に20年がかりで念願の企画を実現させた。
映画初主演を務めるのは、Boys be/関西ジャニーズJr.で活躍中の池川侑希弥。その同級生たちに、『CUBE 一度入ったら、最後』(21)の田代輝、「二月の勝者-絶対合格の教室-」(NTV、21)の白石葵一ほか、松藤史恩、蒼井旬、坂元愛登、岩田奏ら、オーディションで選ばれた少年たちが揃い、昭和末期の“今”を過ごす個性豊かな7人の子供たちを熱演している。
また、主人公たちの家族を、臼田あさ美、浜野謙太、新津ちせ、永瀬正敏、河井青葉ら、豪華キャスト陣が演じている。少年時代の“葛藤と前進”、“出会いと旅立ち”を描き、観る者の心に懐かしさと温かい感動をもたらす青春映画の新たなマスターピース!
STORY
地方の町に暮らす平凡な小学生・瞬(池川侑希弥)。心配のタネは乳がんを患っている母の病状……ではなく、中学受験のためにムリヤリ学習塾に入れられそうなこと。望んでいるのは、仲間たちととにかく楽しく遊んでいたいだけなのに…。瞬の親友は、犯罪歴のある父(永瀬正敏)を持つ隆造(田代輝)や、いじめを受けながらも映画監督になる夢を持つ西野(岩田奏)ら、様々なバックボーンを抱えて苦悩しつつも懸命に明日を夢見る少年たち。それぞれの家庭環境や大人の都合、学校でのいじめや不良中学生からの呼び出しなど、抱えきれない問題が山積みだ。ある日、瞬は、いじめを見て見ぬ振りしてしまう。卑怯で弱虫な正体がバレて友人たちとの関係はぎくしゃくし、母親の乳がんも再発、まるで罰が当たったかのような苦しい日々が始まる。大切な仲間と己の誇りを獲得するために、瞬は初めて死に物狂いになるのだった。